サブリース会社との契約は更新拒否できる?管理がずさんだった場合を弁護士が解説
2026.06.02
執筆者 陽なた法律事務所 弁護士 松井竜介
こんにちは。弁護士の松井です。
今回は架空の相談事例をもとに、
「サブリース会社との契約を更新したくない」
というテーマについて解説します。
アパートやマンション経営では、
- 入居者トラブルが多い
- クレーム対応が遅い
- 管理状況に不安がある
という理由から契約を終了したいと考えるオーナーも少なくありま
そこで今回は、実際の裁判例を踏まえて説明します。

【相談内容】
建物の所有者(オーナー)Aさんからのご相談。
Aさんはアパートを所有しています。
数年前からサブリース会社B社に一括借上げを依頼していました。
しかし、
- 深夜の騒音トラブル
- 入居者情報の管理不足
- 無断で民泊利用していた入居者の見落とし
などが続き、不満を抱いていました。
そこでAさんは契約期間満了を機に、「次回は更新しません」
とB社に通知しました。
ところがB社は、
「借地借家法上、更新拒絶には正当事由が必要なので簡単には終了できない」
と主張しています。
Aさんは契約を終了できるのでしょうか。

【弁護士からの回答】
結論からいうと、
管理状況に問題がある場合には、
もっとも、サブリース契約であっても借地借家法の適用があり、
単に、「他の会社に任せたい」
という理由だけでは足りません。
① サブリース契約でも正当事由が必要
サブリース契約は、オーナーがサブリース会社に建物を賃貸し、
サブリース会社が入居者へ転貸する仕組みです。
この場合でも、
② 裁判所は何を重視するのか?
今回と類似事例の裁判(東京高裁令和6年1月18日判決)では、
管理会社の対応に様々な問題が認められました。
例えば、
- 同居者の把握が不十分
- 入居者情報の管理不足
- 民泊利用を見逃していた
などです。
裁判所は、オーナー側の
「不安や懸念を払拭するに足りるような対応をしてきたとはいえない」
と評価しました。
つまり、管理会社としての信頼性が大きく損なわれていたということです。
③ 契約期間が短く変更されていたことも考慮
もともと更新契約は2年契約でしたが、途中から1年契約へ変更されていました。
裁判所は、これは将来的な契約終了を見据えたものであり、
サブリース会社側も問題意識を共有していたと判断しています。
④ オーナーと管理会社、どちらの必要性が強い?
正当事由の中身として、自己使用の必要性は重要な要素ですが、
裁判所は、
- オーナーは建物所有者である
- 近隣住民として入居者トラブルの影響を直接受ける
一方で、
- サブリース会社にとっては多数の管理物件の一つであり代替性がある
と指摘しました。
その結果、オーナー側の必要性が上回ると判断されています。
結論からいれば、東京高裁令和6年1月18日判決では、
オーナー側の明渡請求が認められています。

【今回のポイント】
- サブリース契約でも更新拒絶には正当事由が必要
- 管理状況の悪化は重要な判断要素になる
- 入居者管理の不備やトラブル対応の遅れは不利に働く
- オーナーの建物使用の必要性も考慮される
- 日頃から記録や証拠を残しておくことが重要
サブリース会社との関係に悩まれている方は少なくありません。
「更新拒絶できるのか分からない」
「管理会社を変更したい」
という場合には、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
※なお、上記事例はあくまで架空のものであり、
実在の人物、団体とは一切関係ありません。
【参考記事】
サブリース契約は解約できる?正当事由・立退料・オーナーの対応











