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陽なた法律事務所の弁護士が綴る、日常や法に関する豆知識ブログです。

賃貸物件で転落死亡事故が起きた場合、遺族に損害賠償請求できる?

2026.02.09

執筆者 陽なた法律事務所 弁護士  松井竜介

 

こんにちは。弁護士の松井です。

今回は架空の相談事例をもとに、解決方法や裁判例を紹介したいと思います。

 

 

【相談内容】

 

建物1棟の所有者(オーナー)Rさんからのご相談。

私の所有する賃貸マンションの一室で、入居者Lさんがベランダから転落して、

死亡するという事件が発生しました。

警察の調査でも「自殺か不慮の事故か特定できない」とされ、

遺書も残っていないようです。

その後、入居希望者が減り「事故物件」とみなされて、

今後の他の部屋の賃貸募集にも支障が出ていますので、

管理会社から家賃を下げて募集するという提案がきています。

Lさんのご遺族に、この家賃減額分などの損害を請求できるのでしょうか?

 

 

【弁護士からの回答】

 

結論からいうと、

事故や原因不明の死亡の場合、損害賠償請求は難しいケースが多い

と考えられます。

 

法律上の根拠:善管注意義務

 

民法第400条は、次のように定めています。

 

債務者は、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。

 

ここでいう「善良な管理者の注意」とは、

契約内容や社会通念に照らして通常求められる注意義務を意味します。

つまり、賃借人は、

通常期待される範囲で物件の価値を損なわないよう注意する義務

を負っていると考えられます。

また、不動産実務では、死亡事故などにより物件価値が低下した場合、

この義務違反として損害賠償が問題になることがあります。

 

事故の原因が判明している場合

 

裁判例では、賃貸物件内での死亡事故について、

・一定期間賃貸できない

・その後も賃料を下げざるを得ない

といった損害が認められる場合があり、

約2年分程度の賃料相当の損害が認められた裁判例もあります。

 

事故死・原因不明の場合

 

一方で、最近の裁判例では、

事故死・原因不明死亡については責任を否定する傾向がみられます。

 

東京高裁令和5年9月14日判決では、

・転落は偶発事故の可能性が高い

・原因が明らかでない

・本人の意思によるものとはいえない

として、賃借人の善管注意義務違反を否定し、 損害賠償請求を認めない

という判断がされています。

(※今回の掲載判例とも方向性は一致しています)

 

死亡事故と責任は別問題

 

ここは実務で非常に重要です。

裁判所は、物件で死亡事故があり、

心理的瑕疵が生じることと賃借人が責任を負うことは

別の次元で判断しています。

事故が起きたという事実だけでは、直ちに賃借人の責任とはなりません。

裁判例では、次の点が重視されています。

・事故を予見できたか ・回避できたか

 

例えば、 ・自然死 ・偶発事故 ・原因不明

は通常、予見・回避が困難なため、責任は否定されやすい傾向にあります。

 

今回の事例では原因が明らかではないようなので、

Lさんのご遺族への損害賠償請求は難しいという結論になります。

 

 

【今回のポイント】

 

まず事故の原因を特定することが重要です。

その上で、原因が賃借人側にあれば、損害賠償請求をしていくことになりますが、

そうでない場合には請求が困難となることもあります。

 

なお、自然死などに関しては、

宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインで、

宅建業者が告知しなくてよい以下の場合のうち①に該当すれば、

告知義務がないため、そもそも家賃の減額などは起こらないともいえます。

 

①【賃貸借・売買取引】取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)。※事案発覚からの経過期間の定めなし。

 

②【賃貸借取引】取引の対象不動産・日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死が発生し、事案発生(特殊清掃等が行われた場合は発覚)から概ね3年間が経過した後

 

③【賃貸借・売買取引】取引の対象不動産の隣接住戸・日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死※事案発覚からの経過期間の定めなし

 

かりに、原因が賃借人側にあったとしても、遺族が相続放棄していれば、

請求はできないことになりますので、より詳細なご相談をおすすめいたします。

 

※なお、上記事例はあくまで架空のものであり、

実在の人物、団体とは一切関係ありません。

 

当事務所への無料相談受付はこちらまで

 

【参考記事】

 

心理的瑕疵とガイドライン

購入予定の物件で死亡事故、自殺か自然死で違いがあるの?

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