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陽なた法律事務所の弁護士が綴る、日常や法に関する豆知識ブログです。

不動産投資で失敗?どんなリスクがあるの?

2020.03.18

執筆者 陽なた法律事務所 弁護士  松井竜介

 

こんにちは。弁護士の松井です。

 

最近不動産関係のトラブルでよく耳にするのは不動産投資での失敗です。

将来の不安からでしょうか、不労所得が欲しいと願う人が多き気がしますね。

今回は不動産投資とリスクの話をしたいと思います。

①自分自身の話、業者さんに話を聞いてみた

弁護士は自分の時間を切り売りする仕事ですので、

私も不労所得が気になっていた時期があり、

道で声をかけられたマンション業者さんの話を聞いたことがあります。

その話の中で勧められたマンションですが、最初から収支がマイナスでしたし、

場所も不便なところだったので、リスクしかないだろうと思って、

買う気は全くなかったのですが、その後も営業メールは凄かったです…………

 

私自身も業者さんの話を聞いてみて思ったのは、

かりに家賃と支払いの収支がプラスであれば、

そのプラス分について不労所得が生じるわけですから、

マンションを買いたくなってしまっても不思議ではないということですね。

しかも購入資金全額をローンにしてしまえば、

手元にお金が無くても不動産投資が始められるので、

投資用マンションを買う人が後を絶たないのも頷けます。

 

②不動産投資のリスク

一方で不動産投資のリスクもよく知っておかないと後から後悔します。

 

まず不動産投資における収支は購入検討時点での家賃額を基準にしているので、

将来大幅に家賃が減額した場合には見込みが外れることになり、

最悪の場合には赤字になりかねません。

 

家賃が減額されるだけならまだ良いのかもしれませんが、

入居者がいない、いわゆる空室リスクも当然あります。

空室になると家賃は全く入ってこないので困りますよね。

家賃保証などの制度がありますが一定の条件もありますので、

内容をよく確認しておくべきでしょうね。

なお、場所が良ければ空室になるリスクは少なくなるのかもしれませんが、

やはり購入代金は割高になると思います。

 

購入代金ですが、相場よりも割高になっていることがあるかもしれませんので、

近隣相場や類似のマンション価格を調べておくことをおすすめします。

かりに不動産を売却することになった場合に、

買った値段よりも大幅に安くなれば、かなりの損をすることにもなりかねません。

 

それからローンについても注意が必要です。

通常銀行から借り入れるよりも住宅ローンの方が金利が安いですが、

不動産投資は所有者がそのマンションに住むわけではないので、

住宅ローンの対象にならないと思います。

しかし、金利が0.5%程度違うだけでも、

月々の支払い額は数千円~数万円は違ってくるので、

買う方は当然住宅ローンの方が良いわけです。

そこで、実際に住むつもりはないのに、

銀行には住むと嘘の申告をしておいて、

住宅ローンを組むという事態が起きることになります。

もし銀行にこのことが発覚すれば、

詐欺などの犯罪に該当することにもなりかねませんし、

少なくとも購入代金残額の一括返済を求められることになり、

一括返済するお金がなければ、マンションを売却しなければならず、

結果借金だけが残るということになってしまいます。

ちなみに、住宅ローンはあくまで銀行との関係なので、

マンション自体に問題がない以上は、

マンション業者との間の売買契約を解除する(なかったことにする)

ことはなかなか厳しいでしょう。

 

③不動産投資に気をつけて

以上のように、不動産投資にはリスクがあります。

他方で、不動産投資をうまくやって資産を増やしている人がいるのも事実です。

もし不動産投資を検討されている方がいれば、

マンション業者の話を鵜呑みにせず、色々なリスクを踏まえて決断されて下さい。

うまい投資話にはご注意下さい。

 

陽なた法律事務所 弁護士 松井竜介

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