排水管の詰まりで漏水した時どうするか 漏水事故後の対応について
2019.02.25
執筆者 陽なた法律事務所 弁護士 松井竜介
こんにちは。弁護士の松井です。
以前不動産屋で働いていたとき、よくこんな電話がありました。
それは、「排水管が詰まって水が流れない」というものです。
漏水すると大変なので、すぐにそのマンションやアパートに行き、
排水溝を点検してみます。
でも結局は入居者の人が掃除をしてなくて髪の毛などが詰まっていただけ
ということが多かったです。
そのときは正直に言って「ちゃんと掃除しといてよ」と思いましたね。
もちろん入居者の人には言えませんが…
それでは、排水溝や排水管が髪の毛などで詰まって排水がうまくいかず、
下の階に漏水した場合の責任を考えてみます。
分譲マンションの場合には、その排水管が専有部分か共用部分かで話が変わり、
専有部分であればその部屋の所有者や占有者の責任となりますし、
共用部分となれば管理組合に責任が出てくることになります。
ただし、お風呂場の排水溝付近が詰まったということであれば、
専有部分の可能性が高いので、やはり掃除をこまめにやって頂くほかありません。
規約上はっきりしない場合には、後々トラブルになる可能性が高いので、
今のうちに規約の見直しをおすすめします。
賃貸マンションであれば、建物所有者は基本的にひとりなので、
排水管自体に問題があるという場合でなければ、入居者同士の話になります。
万が一漏水事故の被害者となった場合には、
①そのマンションを管理している不動産会社に連絡すること
まずは今後の対応もありますので、管理会社へ状況報告する。
そして直接加害者へ連絡しづらい場合には、
管理会社から加害者へ連絡してもらうと良いでしょう。
②どこからどれだけ水漏れしているかなどの状況を撮影しておくことが重要です。
排水管の劣化や損傷などで漏水した場合には、
その場所を早期に特定するためにも漏水箇所を把握しておくべきですし、
漏水被害があったことを証明するためにも、
証拠として撮影をしておくべきでしょう。
当然漏水直前は気が動転していることもあると思いますが、
時間が経つと水が乾いてしまいますので可能な限り早めの撮影をおすすめします。
その上で、
③保険で対応できるか確認しておくべきでしょう。
保険でカバーできれば、加害者へ直接請求するストレスがなく、
近隣トラブルを予防できますので、
まずは保険が使えるか確認すると良いと思います。