店舗の立ち退きにおいて、家賃の100倍以上の立退料が得られた事例
執筆者 陽なた法律事務所 弁護士 松井竜介
ご相談内容
飲食店を経営されている方からのご相談。
店舗の定期建物賃貸借契約をしてから、まだ1年も経っていないにもかかわらず、
店舗オーナーから突然立ち退きを要求されて困っている。
店舗オーナーの言うとおり実際に立ち退かなければいけないのか、
仮に立ち退かないといけないとした場合に、立退料はいくらぐらいもらえるのか。
解決までの道筋
まず、契約書やこれまでの経緯などの事実を正確に確認したところ、
契約期間が終了するには程遠く、
そのほかに家賃滞納などの落ち度は全くなかったので、
相談者側に立ち退く法的な義務がないことを確認。
ただし、なるべく円満に解決したいという相談者の意向もあり、
立退料の金額によっては、
そのまま今の場所で営業を続けるよりも
移転を検討しても良いという方向で話がまとまる。
相談者の代理人として交渉を開始。
店舗オーナー側に対して、
相談者には立ち退く法的が義務がないことを説明の上で、
立退料の金額によっては移転も検討していることも伝えたところ、
店舗オーナー側から希望する立退料を提示するように伝えられる。
そこで、相談者と打ち合わせの上で、
実際に内装や設備にかけた費用、今後かかる費用、
営業利益などの根拠のある金額を積み上げ、
立退料を算出して店舗オーナー側に提示した。
最終的に相談者の希望通りの金額(家賃額の100倍以上)を得ることができた。
解決のポイント
・相談者側に立ち退く法的な義務がなく、
店舗オーナー側が金額的に譲歩しやすい環境にあったこと。
・経営していた飲食店が黒字であり、
営業利益を補填してもらう根拠が明確であったこと。
・店舗開店してそれほど経過しておらず、設備の劣化がなく、
投下資本が回収できていなかったため、
設備関係の費用もほぼ主張どおり認められたこと。
お客様の声
オーナーからいきなり出て行って欲しいと言われて、
自分ではどうして良いかわからず困っていましたが、
弁護士さんに相談して立ち退かなくても良いと聞いたときには安心しました。
また、結果的に立ち退くことになりましたが、
満足のいく立退料がもらえて、
別のところに新しいお店を出店することができたので良かったです。